Strategy A

発行日:2015年09月30日

今度は「ストラテジーA」に絞ってお話します。
「ストラテジーA」が対象とするETFは“ベア型”と“ブル型”の2つに分かれます。
“ブル型”はS&P500と同方向に変動します。“ベア型”はその反対です。日によってS&P500との連動性や逆連動性が認められないケースもありますが、長期的には“ブル型”と“ベア型”のS&P500との連動性は上述の通りです。

「ストラテジーA」は“ベア型”と“ブル型”の違いからさらに2つに分かれます。“ベア型”と対象にした取引と“ブル型”を対象にした取引です。

“ブル型”を対象にする取引では“P-1”と“”P-1/P+1”を利用するので単純です。
一方、“ベア型”を対象にする取引では“C-1”や”C-1/C+1”を利用するので複雑です。あるいは、以前紹介した”S+1/C-1“のベア型への応用として”(C-1/P+1)/P-1”も可能です。いずれにせよ、“ベア型”を対象にした取引は“ブル型”を対象にした取引より複雑でより高度な管理技術が求められます。無理に、“ベア型”を対象にした取引を実行する必要はありません。

そこで、まず、“ベア型”と比べるとずっと単純で実行が容易な“ブル型”を対象にした取引について述べます。
“ブル型”と“ベア型”では、“ブル型”を中心にみてその反対に変動する対象として“ベア型”を見るのが一般的です。S&P500の変動の推移を確認するのにベア型をまず見てS&P500を見るのは一般的ではありません。しかし、「ストラテジーA」が対象とするETFに関して私は“ベア型”を中心に見ます。それらのベア型ETFはS&P500オプションのボラティリティ指数と強い連動性があるからです。そして、その後に、“ベア型”のETFそれぞれと対になる“ブル型”のETFをみます。私は“ベア型”ETFをVIX指数と同列に扱っているのです。その意味で、“ベア型”ETFは単に取引対象というだけではなく指標としても利用しています。
「ストラテジーA」は相場に関する情報に対して耳を閉じてとにかく長く継続して実行することで多くの収益を蓄積していくことができます。しかし、この原理を知ってほしいので“相場の展開”に触れます。

今年8月の下旬から現在までの米株式マーケットの展開を振り返ってみましょう。米株式マーケットを代表するS&P500は8月下旬に大きく下落し一時今年の最安値に達しました。平均株価急落の原因は中国株式マーケットの激しい下落にあったと報道されました。S&P500オプションボラティリティを代表するVIX指数はそれに呼応して一時40ポイントに達しました。数年ぶりの高水準です。S&P500はそこから反発をみせ同ボラティリティも急激に減少し一時20ポイント近辺まで戻りました。その後、米中央銀行に相当するFRBの利上げに関する憶測で平均株価は一進一退を続け同ボラティリティは20ポイントから下に減少することなく一定の水準に停滞していました。FRBは利上げを見送ったものの世界経済に対する懸念を表明したことから平均株価が再び下げはじめ、それに追い打ちをかけたのがドイツの自動車メーカーのスキャンダルでした。そして、それに伴いボラティリティが再燃し始めました。

以上の“相場展開”については気にする必要はありません。
私たちは相場を張っているのではないのです。
こころに留めておいてほしいのは、ボラティリティはどんなに激しく上昇しても必ず減少するということです。そうでなければ金融システムが崩壊してしまいます。「ストラテジーA」はその一点に基づいています。

今度は取引について触れます。
「ストラテジーA」では“ベア型”と“ブル型”のどちらを対象にするのがいいか。
これも好みの問題になってしまうかもしれません。
“ベア型”を対象に”(C-1/P+1)/P-1”のような一見複雑に見え管理が面倒な取引を好む人がいます。その取引には合理性があり長期的にキャッシュを作り続けることができます。
しかし、私は“ブル型”を好みます。特に、現在のような状況では“ブル型”は安心して相場の今後の展開を気にすることなく実行できる対象物です。
「ボラティリティはどんなに激しく上昇しても必ず減少するということです。そうでなければ金融システムが崩壊してしまいます。」と述べました。そうであるなら、「ストラテジーA」の対象とする“ブル型”ETFは株価が下がったら必ず反発するということになります。そして、それが事実であることは歴史が証明しています。

“ブル型”の取引は「プットの売り」を基本にします。一方、“ベア型”の取引を「コールの売り」を基本にします。そして、後者には高度な管理技術が求められます。それがストレスになるなら、“ベア型”は指標として見るだけに“ブル型”のみを取引の対象にする方がいいでしょう。

取引の具体例についてはレポートで解説します。