management of an options business
“オプション”を「保険事業」のように扱えば、誰でも「営業キャッシュフロー」を得ることができます。皆さんはそのように意識しているかどうかにかかわらず、皆さんが現在取り組まれているストラテジーを実行することで「オプション事業」を営んでいるということになります。この“事業”において最も大事なことはキャピタルゲインを得ることを主たる目的として「売り」・「買い」を繰り返すようなことから完全に離れることです。“トレード”のマインドや機会主義的な“相場的”行動や志向を完全に捨てることがこの“事業”を営むには求められます。
“事業”といっても難しく考える必要はありません。取引をしてキャッシュフローの管理をすることです。会計は家計簿をつけるように扱うことから始めると徐々に馴染んでくるでしょう。取引を重ねるごとにキャッシュが増えるということに惹かれるようになるでしょう。その増えた分のキャッシュは「営業キャッシュフロー」に相当します。あなたの商売上の“儲け”なのです。それを帳簿(家計簿)に記録します。そんなことで商売が徐々に成り立っていきます。
私は相場環境を“相場”としてではなく「ビジネス(事業)環境」としてみています。損害保険になぞって地震保険を販売する事業を営んでいるとします。平均株価が急落しボラティリティが大幅に増加した現在の状況は地震が発生して顧客から保険請求がくる恐れがある状況に喩えることができます。保険事業者が最大の注意を払っているのは資本不足で保険請求に応じられなくなることです。
平均株価に連動する銘柄のプットを売った後に、平均株価が急落しボラティリティが上がれば当然評価損が膨らみます。私が“トレーダー”としてキャピタルゲインを得ることを主たる目的でプットを売りその結果当初の目論見が外れてそのような事態になったなら当然ながらそれ(評価損)を気にするでしょう。「事業」としてのオプションに取り組んでいる私が気にしているのはキャッシュです。資本不足に陥ることのないようにガードしています。それから“儲け”を計算します。“儲け”とはオプションを売ったことで取得したキャッシュの量です。評価損が気になるなら“儲け”の数字からunrealized loss(未実現損)の数字を差し引いてみましょう。その数字がなら+なら安心していいでしょう。-でも心配することはありません。それは新たに作る“儲け”で補うことができるからです。
今度はポートフォリオの中身を見直してみましょう。
平均株価に連動して動く銘柄よりハイボラ銘柄などを中心に組み入れている方なら現在の環境は気にならないでしょう。なぜなら、そのような銘柄はもとよりボラティリティは100%前後の銘柄で平均株価が作る環境とは別の次元に存在している銘柄だからです。
資金管理の技術的なこととして“P-1/P+1”を見直してみましょう。私は”C-1/C+1”と”P-1/P+1”を現在とても気に入っています。以前は“P+1”や”C+1”を加えることで”儲け“が減ると考えるきらいがあったのですが、今は見方ががらりと変わりました。“P+1”や”C+1”は保険事業における「再保険」に類似しています。自分が販売した保険につい別に保険を買うこと(再保険)によって資本不足に陥るリスクを排除することができます。参考までにいうと、日本の損害保険会社は地震保険についてそのような再保険をかけているようです。
”C-1/C+1”や”P-1/P+1”はプロの“トレーダー”から見ればいかにも素人的です。タイミングを図った「売り」・「買い」を繰り返すことでキャピタルゲインを得ることを目的とする“トレーダー”からみれば効率が悪いといえるかもしれません。私も“トレーダー”のマインドで見ればそうだろうと感じます。しかし、”C-1/C+1”や”P-1/P+1”は「事業」として行うにはむしろ効率がいいのです。まず、私たちは事業から得る「キャッシュフロー」を会計上の収益としてみなしそれを増やすことを主たる目的にしています。事業としてはそのような取引はそれ自体非常に効率のいいものです。次に、取引の効率ではなく資金の効率を考えると”C-1/C+1”や”P-1/P+1”に大きな利点があるのは明らかです。第一に、“P-1”や”C-1”ならより多く必要とするであろう「リザーブ資金」を減らすことができます。第二に、ブローカーに縛られる資金(マージン)を減らすことができます。第三に、上述の「再保険」の機能です。
私は“P-1”と“P-1/P+1”を使い分けています。取引対象の銘柄の条件によっては”P-1”の方が有利である場合があるのです。一方、“C-1”は現在利用していません。”C-1”には必ず“C+1”を加えています。”P-1”には株価ゼロのフロアー(下限)があるのに対して、“C-1”にはキャップ(上限)がないからです。