Cycle of Volatility

発行日:2015年08月25日

オプションではボラティリティを最も重視します。
すでに述べたように、ボラティリティは平均株価(株価指数)を対象にしたオプション・ボラティリティと個別銘柄の株式オプションのボラティリティでは性質が異なります。株式マーケットというより金融の世界の状況を把握するために私は平均株価(株価指数)を対象にしたオプション・ボラティリティをまず確認します。一方、個別銘柄の株式オプションのボラティリティは前者のボラティリティとは別に個別に確認します。
ここでは平均株価(株価指数)を対象にしたオプション・ボラティリティについてお話します。それはS&P500オプションのボラティリティを意味します。近年になったボラティリティ指数が開発されましたのでSS&P500オプション・ボラティリティ指数(VIX)を観察することにしています。私はS&P500それ自体の動きより同ボラティリティ指数を重視しています。その変化 の推移を棒グラフで描いてみると一定のレンジの往復運動や波の上下、リズムが感じられます。
ボラティリティはブラックショールズ・モデルに代表されるオプション理論価格を決める公式に組み込まれた一つの要素ですが、それを難しく取る必要はありません。ボラティリティの上限運動やそのリズムは誰でも感じることができます。ボラティリティ指数の過去の動きをみて経験すればそれが一定のレンジを超えて飛び跳ねているとき何が起きているのか誰もが想像できます。
ボラティリティをなぜ重視するかというとそれが価値を増やしたり減らしたりするからです。平均株価が急落すれば多くの株式投資家が窮地に陥るでしょう。そのような状況ではボラティリティ指数が通常より高い水準に達しているオプションの価値が上がっています。それは新たにキャッシュを作る好条件を提供しているということを示唆しています。
ボラティリティ指数にはサイクルとリズムがあります。サイクルとは一定の間隔で増加減少を繰り返す大きな波をいいます。数学でいえば三角関数の正弦曲線(サインカーブ)や余弦曲線(コサインカーブ)のイメージですが、現実のボラティリティはそれほどきれいな曲線を描くわけではありません。また、“一定の間隔”は現実には一定していないのが常です。一般的には(過去の統計の「最大公約数」的に)ボラティリティ指数は9月~10月に1年で最も高い水準に達することが多くその後年末に向かって同ボラティリティ指数は減少します。今年はそれが1か月前倒しで来ている感じを受けます。
「一定の間隔”は現実には一定していないのが常」なら何をよりどころにするかといえば、リズムです。ボラティリティ指数は一定のレンジの中を小さく上下しています。同指数が非常に低い水準、例えば、10ポイントに近づいてきたら次は再びボラティリティが増加に向かうといったリズムのことです。
最近の出来事はそのようなリズムの中でちょっと大きな波になった程度に考えるとびっくりするようなことではないのです。そのようなことは過去幾度も繰り返し起きているからです。ニュースに振り回される必要もありません。
一方、個別銘柄の株式オプションを中心に取引実践しているなら、以上の話は忘れてもいいくらいです。ボラティリティの性質が異なるからです。