Anatomy of “S+1/C-1″
“ストラテジー”の目的はキャッシュを作ることです。
これまで「キャッシュフロー」という言葉を頻繁に使ってきましたが、それは「現金(キャッシュ)の流れ(フロー)」を意味します。キャッシュフローにはインフロー(流入)とアウトフロー(流出)があります。それらを併せてインフローを増やすことが“ストラテジー”の目的です。私たちの事業の目的はそれです。それは私たちが“作る”マネー(おカネ)ということになります。まさに、“make money”です。
“ストラテジー”については一通りお話しました。
“ストラテジー”には大きく分けてAとBがあります。その大きな括り(くくり)の“ストラテジー”は英語で書くと大文字の“Strategy”になります。
今回はその中にある細分化された“ストラテジー”(小文字の”strategy”)の一つ
”S+1/C-1”についてお話します。
“S+1/C-1”はオプションの教科書によく出てくる取引で「カバードコール」と呼ばれていますが、私は「カバードコール」といった呼称を使わないことにします。相場を連想してほしくないからです。“S+1/C-1”と表示します。これには応用があって”S+1/C-2”もありますが、基本として“S+1/C-1”をおぼえてほしいと思います。
レポートにも掲げているように、私は最近“S+1/C-1”を多用しています。”P-1”と比べて特に有利ということはありません。状況によってはP-1からより多くのキャッシュを獲得できることもありますし、また別の状況によってC-1からより多くのキャッシュを獲得できるケースもあります。あるいは、権利行使の選び方によっても得るキャッシュの量は”C-1”と”P-1”で異なります。
私はかつて“P-1”が権利行使された後に“C-1”を加えることで”S+1/C-1”の形にすることが多かったのですが、今では当初から“S+1/C-1”を多用するようになりました。キャッシュフロー上は”P-1”も“S+1/C-1”も同類です。”P-1”は権利行使されて初めて現物株を保有することになるのに対して、”S+1/C-1”は当初から現物株をもつことが最大の違いです。“P-1”では当初から株式を購入するのにキャッシュを使いませんが、”S+1/C-1”では当初から株式購入のためのキャッシュを使います。
“P-1”では当初から株式購入のためのキャッシュを使わないもののそれに備えてキャッシュをリザーブします。一方、“S+1/C-1”はリザーブ資金を考慮することなく初めにキャッシュを使って現物を購入します。このため、”S+1/C-1”ではキャッシュが減るので目的に照らして矛盾があるように感じられるかもしれません。“S+1”のSを時価でキャッシュに置き換えて計算するといいでしょう。
私の頭の中では“S+1/C-1”は獲得したキャッシュ(インフロー)について非常に明確なのです。今では、”S+1/C-1”の方がイメージの上では分かり易いと感じています。
私は“S+1/C-1”についてこのようにイメージしています。”S+1/C-1”の”S+1”を不動産、“C-1”は家賃収入。”C-1”から得るキャッシュは不動産収入に喩えるなら1年~2年分の家賃の前払いです。これが実際に家賃収入なら、収入が得られる限り、住宅価格(不動産相場)は気にならないでしょう。同様に、私は“S”の価格変動を気にしません。
以上が乱暴な喩えに感じられるなら、“S+1”の”S”をそのまま株式とみてもいいでしょう。“C-1”はその株式から得られる1年~2年分の配当の先払いとみなすこともできます。”S”が無配当でも“配当”を生み出させることが可能なのです。通常、米国株式銘柄の配当は1年分を4回にわけて四半期ごとに支払われます。また、配当銘柄が無配当に陥ることもあります。それに比べると“S+1/C-1”は非常に魅力的です。株式100株の購入に500ドルを費やして250ドルもの収入を得ることができるような銘柄もあります。ここにオプションの凄さを見ることがでます。