mechanism of option premium
オプション取引において、理論上もっと大切なのはオプションプレミアム(“プレミアム”=オプションの価格)のメカニズムです。
プレミアムには、数学的なメカニズムが働いているのですが、オプションの値付けの現実について理解しておくと数からマネーを作るという私たちの事業についてさらに興味深いものが見えてくるでしょう。
オプションの理論価格算出モデルである「ブラック・ショールズ」式を覚える必要はありません。参考までに、意味を掲げます。
プレミアム(コール、プットの価格)
=F(X)
X=(原市場の価格(“UAV”、権利行使価格、残存日数、インプライド・ボラティリティ、金利・配当)
F(X)とはFunction of Xで関数のことです。
つまり、オプション価格はX=(原市場の価格、権利行使価格、残存日数、インプライド・ボラティリティ=IV、金利・配当)の関数で、( )内の要素によって決定するということを意味します。
コールの価格(プレミアム):
①原市場の価格が上昇するにつれ、コール価格は高くなる
②権利行使価格が低いコールほど、コールの価格は高い
③残存日数が多いほど、コールの価格は高い
④IVが高いほど、コールの価格は高い
プットの価格(プレミアム):
①原市場の価格が下落するにつれ、プット価格は高くなる
②権利行使価格が高いプットほど、プットの価格は高い
③残存日数が多いほど、プットの価格は高い
④IVが高いほど、プットの価格は高い
上記のうち、①と②はコール、プットともに権利行使価格と原市場の関係を示しています。
IV(インプライド・ボラティリティ)
上記のプレミアム(オプション価格)を決定する要素のうち、最も重要なもののひとつはIVです。
その理由は、このとらえどころのないIVの変化によってオプション価格が大きく変わるからです。
そして、これが重要な点だが、IVの変化や思惑がプレミアム(オプション価格)を大きく歪めたり、誤った値付け(ミスプライス)を発生させたりします。
ここにオプション取引でマネー(キャッシュ)を製造する「秘密」が隠されている。私たちはこの「秘密」を利用してマネーを製造しているのです。
IVとはオプション市場参加者の変動率について予想です。
将来、原市場の価格(“UAV”)が大きく変動するであろうと予想する参加者が多ければ、IVは増加し、プレミアム(製造されるキャッシュ)も増えます。
反対に、原市場の価格(“UAV”)はあまり変動しないであろうと予想する参加者が多ければ、IVは減少し、プレミアム(製造されるキャッシュ)は減ります。
さて、ここで上記の「秘密」に関することに触れます。“プレミアムが歪む”(=「スキュー(skew)」といいます)という状況が存在します。
市場の平均のIV(ATMのコール・プットの平均IV)が20%のときに、OTMコールのIVが40%である状況がそれです。
この場合、コールが歪んでいるといいます。
また、同様に、市場の平均のIV(ATMのコール・プットの平均IV)が20%のときに、OTMプットのIVが40%であれば、歪んでいるということができます。
このように、銘柄によって、あるいは市場によって、プレミアムがコールまたはプットの側に歪んでいるのが普通です。 問題はその歪みの度合いです。歪みの度合いが大きければ大きいほど、コールまたはプットが割高であること(より多くのキャッシュを製造できる可能性)を意味しています。 株式では銘柄によってコールかプットに大きく歪んでいるものがあります。米国株価指数は恒常的にプット側に歪んでいます。コモディティではコール側に歪んでいる傾向が見られます。これはなぜかいうと、オプション市場参加者の思惑が働いているからです。
米国株価指数S&P500では恒常的にプット側に歪みが見られますが、これは特に、1987年の株価大暴落以来顕著です。その“トラウマ”の反映だという説があるのです。コモディティ市場では常にインフレを反映して価格が上昇するというメカニズムが働いているので、コール側に価格が歪んでいる傾向が強いと言われます。個別株は異なる銘柄によってマチマチです。