“P-1″ vs “S+1/C-1″
再び、“ストラテジー”についてお話します。
“事業的アプローチ”におけるオプション取引をベースシック・ストラテジー(以下、“ストラテジー”)と呼ぶことにします。これまでOCFCストラテジーと呼んできたものがそれです。
“ストラテジー”を実行するための取引型にはいろいろありますが、その中で最も単純で最もパワフルだと私が思うのは”P-1”です。それに加えて私が魅力を感じているのは”S+1/C-1” (Sは現物株式で+1はこの場合100株の保有を意味します。) です。
“P-1”と”S+1/C-1”は本質的には同じだといえばピンと来るでしょうか。
“P-1”は権利行使されると”S+1”に代わります。当初得たプレミアムはマーケットに返す必要がありません。“P-1”によって得たプレミアム収入は収益となります。“P-1”は当該プットの買い手の権利行使の請求に応じて”S+1”を取得するためにキャッシュを予め用意していなければなりません。
“S+1/C-1”のポジション(取引後の保有している資産を”ポジション“と呼びます。)では”C-1”が権利行使されたときに“S+1”を当該コールの買い手に差し出すだけで権利行使後の手続きは完了します。そのため、権利行使に応じるためにリザーブ資金を用意する必要はありません。
以上から改めて述べるまでもなく、”P-1”は権利行使されて初めて株式を保有することになるのに対して”S+1/C-1”では予め権利行使される可能性に備えて株式を保有しています。一方、共通しているのはいずれもキャッシュを得ることができるということです。
次に、資金の引き出しについて述べます。
“P-1”では被権利行使に備えてキャッシュをリザーブします。通常、リザーブ資金は当初得たプレミアム収入(キャッシュ)を引き出さないことを前提に権利行使された場合に株式を購入するのに必要な代金から同収入を差し引いた残額として用意します。同プレミアム収入を引き出す場合は、
引き出した金額分(プレミアム収入以下)を新たに足すかあるいは株式マージン口座を利用します。株式マージン口座を利用すると、株式購入代金として用意する金額は50%になります。残りの50%はブローカーからの借り入れで賄うことができます。
“S+1/C-1”では”C-1”によって得たプレミアム代金を全額引き出すことができます。“S+1”を保有している限り”C-1”にはマージンもかかりませんし、C-1自体にリスクはありません。この取引において“C-1”に得た収入は全額当初から収益とみなしそれを取引の翌営業日に全額引き出すことができます。
忘れてならないのは、それらの取引は契約だということです。オプションには期日がありますが、当該期日まで契約が有効です。したがって、契約を履行できる体制を整えていなければならないということです。それと会計上のキャッシュフローは別です。
次回は、マージンについてお話します。